Derivazioni: Space for communication by TANAKA Sigeto
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Preprint 「「3密」概念の誕生と変遷: 日本のCOVID-19対策とコミュニケーションの問題」

「3つの密」「3密」という概念が生まれて変質してきた過程について、 で紹介した資料等を基にした論文を書きました。
OSF Preprints でとりあえず公開しています:

Tanaka Sigeto. 2020. 「3密」概念の誕生と変遷: 日本のCOVID-19対策とコミュニケーションの問題. OSF Preprints. October 3.
(The Emergence and Modification of the Concept of “(Overlapping) Three Cs”: A Problem in Public Communication in Japan's Coronavirus Disease (COVID-19) Response)


1. 「3密」概念をめぐるコミュニケーション問題
2. 課題と方法
3. 資料からわかる時系列
4. 議論
5. 結語


日本の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 対応を特徴づける概念である「3密」「3つの密」について、その創出と変容の過程を調べた。政府・専門家による文書を探索した結果、つぎのことがわかった。(1) 換気が悪く、人が多く、近距離での接触があるという3条件すべてを満たす状況を回避すべきという提言が公表されたのが2020年2月29日。(2) これら3条件に「密閉」「密集」「密接」という名称があたえられ、まとめて「3つの密」ということばができたのが3月18日。(3) 3条件が同時に重なった場を「3つの密」と呼ぶ定義があたえられたのが4月1日。(4) 条件が1つでもあれば「3つの密」と呼ぶ定義に変更されたのが4月7日。(5) この定義変更について説明・広報はなく、変更後の定義にしたがうことが徹底されているわけでもない。(6) 3密回避の方針は従来と変わっていないとのメッセージが政府と専門家の文書にふくまれるため、定義変更があったことが一般的に認知されず、「3密」が何を指すかについての解釈に齟齬が生まれる結果になっている。

The concept of “three Cs” (situations characterized by three conditions of closed space with poor ventilation, crowding, and close contact with a short distance) has played an important role in Japan's COVID-19 response. The government and experts have employed this concept to guide people in avoiding such situations in order to prevent outbreaks. To investigate the emergence and modification of this concept, the author traced government documents. The findings were as follows. (1) On February 29, 2020, the government, for the first time, appealed to the public to avoid places with the three overlapping conditions. (2) On March 18, a new Japanese phrase was coined that was later translated as “the (overlapping) three Cs.” (3) On April 1, experts defined the term as a place that satisfied all the three conditions. (4) On April 7, the government modified the definition to include places with at least one of the three conditions. (5) However, the government and experts have not explained the difference between the two definitions to the public. (6) Rather, they insist that their policy on the need for avoiding these three conditions has been consistent and unchanged. Their conduct has led to miscommunication and misunderstanding among the public.

感染症対策「日本モデル」を検証する: その隠された恣意性 (『世界』934号)

岩波書店発行の月刊誌『世界』2020年7月号 (=934号) の特集1「転換点としてのコロナ危機」に、つぎの小文を寄稿しました。

感染症対策「日本モデル」を検証する: その隠された恣意性

本稿で「日本モデル」と呼んでいるのは、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の2020年4月1日「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(第2回) に出現した用語で、「市民の行動変容とクラスターの早期発見・早期対応に力点を置いた日本の取組」をあらわすものです。

本稿では、その前提となった、少数の感染者がいわゆる「3密」の状況で大量の2次感染を起こすという想定を検証します。根拠となった2020年2月26日までの感染状況の分析結果と、専門家が改変して説明に使用してきたグラフを検討し、恣意的な仮定に基づいた解釈がおこなわれていたこと、別の仮定を置けば日本モデルは支持できなくなることをあきらかにします。( などとほぼおなじ内容です。)


2月2日(日)連続勉強会:「国難」のなかのわたしたちのからだ 第5回「STOP! 自治体の道徳PR事業」(渋谷アイリス)



STOP! 自治体の道徳PR事業: 愛媛県・まじめえひめプロジェクトへの抗議―緊急報告と、使用された「統計」の検証
日時: 2020年2月2日(日) 14:00 - 16:30
会場: 渋谷男女平等・ダイバーシティセンター<アイリス> (東京都渋谷区文化総合センター大和田8階・渋谷駅西口徒歩5分)
参加費: 500円(学生・非正規雇用の方などは300円)
申込み: 準備の都合上、なるべくお申込みをお願いします。当日参加も可。

- 報告1.西山千恵子・田中重人:愛媛県への抗議文―経緯と問題、県の対応
- 報告2.高橋さきの:「県民性」をめぐって――「血液型」そして「淘汰」
- フロア討議

主催: 高校保健・副教材の使用中止・回収を求める会
共催: リプロダクティブ・ライツと健康法研究会、レインボー・アクション
協力: 女政のえん

勉強会案内 URL:

Political Vocabularies and Localized Discourses on Demographic Transition: The Emergence of the 'Syousika' Problem in 1980s Japan (RC06-VSA Conference, Oct 2019, Hanoi)

Paper title: Political vocabularies and localized discourses on demographic transition: the emergence of the 'syousika' problem in 1980s Japan

Author: TANAKA Sigeto (Tohoku University)


Policies and political discourses depend on historical contexts and local languages. The vocabulary to define social problems represents and leads the focus of public opinion. This paper reports on the result of a literature survey on the Japanese word “syousika” (or “shôshika”), coined through discourses on demographic transition in Japan, which literally means a decreasing number of children. Today, this word occupies the central position in Japanese political discourses on low fertility and shrinking population.

It is believed that this word made its first appearance in the early 1990s. However, it was already in literature in the early 1980s, although its meaning was different. In those days, the word simply meant a decrease in the number of siblings. It had nothing to do with the country's fertility or population. The word was used in a conservative perspective to express the worry that a smaller family could restrict socialization of youths, making them too individualistic. Such usage was by government officials in the Ministry of Education as well as by researchers in educational sociology.

In the early 1990s, the country's record-hitting low fertility attracted public attention. Within a few years, the word “syousika” gained a new meaning to symbolize that phenomenon. Demography researchers borrowed the word and authorized its use as a technical term to indicate below-replacement fertility. Nonetheless, the word has varied connotations, not limited to low fertility, serving as a magic term to cover various problems related to population. This paper traces the transformation of the meaning of the word to explore how it has impacted political debates on population.

Keywords: language, discourse, policy, population, fertility

Conference: RC06-VSA International Conference "The Family in Modern and Global Societies: Persistence and Change" (October 17-19, 2019, Hanoi)
Status: Accepted for oral presentation [2019-06-11]


独自研究に基づく政策立案:EBPMは何をもたらすか (日本家族社会学会第29回大会, 2019-09 神戸) (報告申込済)


Paper title: 独自研究に基づく政策立案:EBPMは何をもたらすか

Author: 田中 重人 (東北大学)


「独自研究」(original research) とは、Wikipedia 用語で「信頼できる媒体において未だ発表されたことがないもの」をいい、具体的には「未発表の事実、データ、概念、理論、主張、アイデア」などを指す [1]。Wikipediaは多数の匿名執筆者が編集することのできるオンライン事典であるため、記事の品質を維持するためにさまざまな規則を設けている。独自研究の利用禁止はそうした規則のひとつで、信頼できない情報源からの情報を排除することによって記事の信頼性を確保する役割を果たしている。

この基準に照らして日本政府の政策立案や評価のプロセスをみると、その多くが政府自身による独自研究に立脚していることがわかる。Wikipediaレベルの信頼性を確保する手段がとられていないので、政策を正当化するために持ち出されるデータの質が保証できない弊害が生まれている。たとえば今年1月の国会での首相施政方針演説のなかにあった、ひとり親家庭の大学進学率が上昇したという数値は、厚生労働省「全国ひとり親世帯等調査」に基づくものとされる [2]。だがこの「大学進学率」をどうやって計算したのかは、当時はよくわかっていなかった。その後の国会質疑 [3] で計算方法の概略はわかったものの、さまざまな疑問点が解消されずに残っている。

政府は、近年、「エビデンスに基づく政策立案」(evidence-based policy making: EBPM) をスローガンに政策の立案・評価過程の合理化を推進している。しかし上のような弊害に対して、EBPMが改善の役に立つかというと、そういう方向には進みそうにない。日本政府の唱えるEBPMは、むしろ独自研究を推進する内容であるからだ。たとえば2018年の総務省「EBPMに関する有識者との意見交換会」の報告 [4] は、ほぼ全編が独自のデータを分析する前提の内容である。「文献調査」は、「関係者からの聞き取り等」と同様のオプショナルな位置づけで、一言だけ言及されている。

一方、医療の分野では、この四半世紀の間に「エビデンスに基づく医療」(evidence-based medicine: EBM) が支配的な潮流となってきた [5]。EBMにおいては、意思決定の材料として使うエビデンスはまず医学文献の網羅的な検索によって得るものなので、独自研究は実質的に排除されている。EBMは「エビデンスに基づく」という冠をEBPMと共有してはいるものの、この点では正反対の方向を向いており、独自研究の弊害を免れている。ただ、EBMに関する議論では、なぜ独自研究を排除するかは示されてこなかった。EBMにとって、医師や病院が文献を渉猟せずに自らの経験だけにしたがって治療方針を決めることは克服すべき悪しき伝統であり、それは議論するまでもない前提だった。

本報告では、意思決定過程から独自研究を排除する意義について、(1) 捏造・改竄の抑止、 (2) 専門家からの批判を通じた信頼性の向上、 (3) 非専門家による反論機会の保障、の3側面から検討する。また、独自研究に基づく政策立案の弊害を防ぐため、独自研究排除原則またはそれと同等の機能を持つ制度を確立する方向性について論じる。

(本研究はJSPS科研費 JP17K02069 の助成を受けたものです。詳細は 参照)

[1] Wikipedia (2018)「独自研究は載せない」. {} (2018年8月10日 7:03)
[2] 佐藤 武嗣 (2019)「統計のウソを見破る方法とは あの数字、試しに取材した」『朝日新聞DIGITAL』2019年2月4日08時00分. {}
[3] 国立国会図書館 国会会議録 (2019)「第198回国会 衆議院予算委員会議録第7号」(2019年2月24日). {}
[4] 総務省 (2018)「EBPM (エビデンスに基づく政策立案) に関する有識者との意見交換会報告 (議論の整理と課題等)」(平成30年10月). {}.
[5] David L. Sackett ほか; 監訳=久繁 哲徳 (1999)『根拠に基づく医療: EBMの実践と教育の方法』オーシーシー・ジャパン. ISBN:4840725349

Keywords: 根拠に基づく政策立案 (evidence-based policy making), 日本政府 (Government of Japan), Wikipedia

Conference: 日本家族社会学会 第29回大会 (2019-09-14..15, 神戸学院大学 ポートアイランドキャンパス)
Session: 自由報告 (1) 3 家族政策 (9月14日(土) 10:00-12:30 会場D217)

2019-05-30 Submitted
2019-06-02 Revision
2019-09-14 Slides

7月21日(日)連続勉強会:「国難」のなかのわたしたちのからだ 第4回「人口政策に組み込まれた「不妊」」(東京麻布台セミナーハウス)

「少子化対策」という文脈で実施される不妊〝治療〟支援。「妊活」だけでなく、近年では「卵子の老化」キャンペーンに煽られた「卵活」も生じています。不妊への不安につけこむ医療とその関連産業やメディア、早期の妊娠・出産を促す政治勢力の動きは、私たちの意識、行動、選択に何をもたらしているでしょうか? 仕掛けられた世界一の不妊〝治療〟大国ニッポン、その現状を探ります。

日時: 2019年7月21日(日)14:00-16:30
会場: 東京麻布台セミナーハウス (大阪経済法科大学) 2階大研修室
参加費: 500円(学生・非正規雇用の方などは300円)
申込み: 準備の都合上、なるべくお申込みをお願いします。当日参加も可。

- 報告1.鈴木りょうこ:科学・ビジネス・政治がつくり出す「生殖」市場
- 報告2.柘植あづみ:「卵子の老化」と卵子提供によって子どもをもつこと
- フロア討議

主催: 高校保健・副教材の使用中止・回収を求める会
共催: リプロダクティブ・ライツと健康法研究会

勉強会案内 URL:

5月11日(土)連続勉強会:「国難」のなかのわたしたちのからだ 第3回「優生保護法の負の遺産」(東京麻布台セミナーハウス)




日時: 2019年5月11日(土)11:00-13:30
会場: 東京麻布台セミナーハウス (大阪経済法科大学) 2階大研修室
参加費: 500円(学生・非正規雇用の方などは300円)
申込み: 準備の都合上、なるべくお申込みをお願いします。当日参加も可。

- 報告1.柘植あづみ:引揚者の「不法妊娠」中絶問題と優生保護法の成立前夜
- 報告2.大橋由香子:優生的な不妊化措置と、堕胎罪―中絶許可が意味するもの
- フロア討議

主催: 高校保健・副教材の使用中止・回収を求める会
共催: リプロダクティブ・ライツと健康法研究会


研究報告「「少子化」観の形成とその変化:1974年から現在まで」(2019-03-24 東京 <連続勉強会:「国難」のなかのわたしたちのからだ> 第2回)


Date: 2019-03-24 (Sunday) 14:00-16:30
Location: 東京麻布台セミナーハウス (大阪経済法科大学) 2階大研修室

Title: 「少子化」観の形成とその変化:1974年から現在まで

Author: 田中 重人 (東北大学)

※ 報告内容は、昨年12月8日の科学技術社会論学会報告 とあまり変わらないものになる予定です。

連続勉強会:「国難」のなかのわたしたちのからだ> 第2回 「少子化」論を問う: その変遷と科学言説の検証

Preprint: Monthly Labour Survey Misconduct since at Least the 1990s (Tanaka S. 2019-03-05)

オンラインメディア『wezzy』記事 (2019-02-07)「「毎月勤労統計調査」は90年代以前から改ざんされていた? データ改ざんに甘い社会」をベースにした英語論文を公表しました。2001-2003にかけての誤差率の変動を分析したブログ記事 (2019-01-25)「捨てられていたサンプル: 毎月勤労統計調査2001-2003データの検証」の内容も付録としてつけてあります。

TANAKA Sigeto (2019-03-05) Monthly Labour Survey Misconduct since at Least the 1990s: Falsified Statistics in Japan.

This paper is based on a Japanese article published on an online media site wezzy. Its Appendix is based on a Japanese blog article by the author.

Abstract: The Monthly Labour Survey, which is one of the major economic statistics published by the Government of Japan, has been under criticism since January 2019 due to its negligent survey conduct and misinformation regarding its results. This paper approaches this scandal from a viewpoint of how the indicators of the quality of the survey were falsified and misreported. Based on published information regarding sample size and sampling errors, the author outlines three problems. (1) Since at least the 1990s, the survey’s sample size has been reported as larger than it actually was. (2) Since 2002, a significant portion of the sample has been secretly discarded. (3) Since 2004, the sampling error has been underreported by ignoring errors occurring in the strata of large establishments. These problems have escaped public attention as the government and academics are not critical of the falsification of basic information that determines the quality of the survey.

DOI: 10.31235/ (on SocArXiv)

「毎月勤労統計調査」は90年代以前から改ざんされていた?: データ改ざんに甘い社会 (wezzy 2019-02-07)


田中 重人 "「毎月勤労統計調査」は90年代以前から改ざんされていた? データ改ざんに甘い社会" (wezzy 2019.02.07)

記事で使ったデータは に載せてあります。

"データ改ざんに甘い社会で統計の信頼性を云々することの無意味さについて" (2019-02-08)

"捨てられていたサンプル: 毎月勤労統計調査2001-2003データの検証" (2019-01-25)

「少子化」論の変遷:日本社会は何から目を背けてきたのか (科学技術社会論学会 第17回年次研究大会 2018-12-08 東京)

Date: 2018-12-08 (Saturday)
Location: 成城大学 (東京)
Title: 「少子化」論の変遷:日本社会は何から目を背けてきたのか
Author: 田中重人 (東北大学)

○ Abstract

日本の人口統計において継続的な出生力低下が観測されはじめてから40年以上が経過した。社会問題としての「少子化」の発見 (1990年代初頭) から数えても四半世紀になる。今日、「少子化」に関する言論は数多く、現代日本の主要な社会問題とみなされている。



日本政府が公表する「合計特殊出生率」(total fertility rate: TFR) の値は1974年に低下をはじめる。当時すでに出生力は人口置換水準と拮抗するところまで落ちており、それ以上の低下は人口の長期的な減少を意味する。しかし当時の人口学者の主流の見立てとしては、これは結婚のタイミングの遅れによる一時的なものであり、すぐに人口置換水準まで回復するだろうというものだった。

この出生力低下が長期的かつ深刻な問題として政治的に認知されたのが、1990年代初頭である。1992年版『国民生活白書』[1] が「少子化」ということばをとりあげたときには正確な定義は示されておらず、出生率低下や子供数減少を広く指した用法であった。ただし、『国民生活白書』に少子化をめぐる議論が載ったのは、TFRが継続的に低下し、日本の統計史上最低記録を下回ったこと (いわゆる1.57ショック)、その値が人口置換水準を大きく下回っていたことが主な理由である。当初から、人口統計に基づく出生力指標をターゲットにした政策議論が熱心におこなわれてきた。



出生力低下をめぐる1970-1990年代の言説には、現代とのさまざまなちがいがある。当時は、出生力低下の原因は晩婚化だとみられていた。人口の男女比の不均衡による一時的な結婚の遅れという論点から、高学歴化やライフスタイルの変化による結婚年齢の上昇、生涯を通じての未婚化へと焦点が移っていくことになる。晩婚化・未婚化は好景気の時期にも進行しため、経済的苦境によって若者が結婚できなくなっているという解釈はほとんど存在しなかった。むしろこの時期には、未婚者は経済的強者とみられていた [2]。

また「女性の社会進出」がもてはやされており、M字型就業構造は解消に向かっている、というイメージが流布していた [3]。こうした通念が大規模職業経歴データの研究成果によって打破されていくのは、1990年代末の話である [4]。また当時は男女雇用機会均等法 (1985年) 成立直後であり、結婚退職制が広く存在していた。労働政策的には、(妊娠・出産・育児ではなく) 結婚と仕事との両立がまず課題だったが、それは均等法に基づく差別禁止や企業による「女性活用」の進展によって実現可能なものと感じられていた。







医学的言説の侵入 [5] は、そうした文脈に位置付けて理解する必要がある。21世紀に入っての「卵子の老化」言説 [6] は、早婚奨励を正当化する役割を果たしてきた。それは一方では若者の知識不足を少子化の「原因」として焦点化するものであるが、他方では伝統的な「少子化」論の枠組の内部で問題が解決できる (したがって家族や国籍の制度の根本的変革は必要ない) とするメッセージでもあった。


  1. 経済企画庁 (1992) 『国民生活白書』 (平成4年版) 大蔵省印刷局. {ISBN:4171904676}
  2. 山田 昌弘 (1999) 『パラサイト・シングルの時代』筑摩書房. {ISBN:4480058184}
  3. 雇用職業総合研究所 (1987) 『女子労働の新時代』東京大学出版会. {ISBN:4130510266}
  4. 田中 重人 (1996) 「戦後日本における性別分業の動態」『家族社会学研究』8: 151-161. {DOI:10.4234/jjoffamilysociology.8.151}
  5. 日本医療政策機構 (2005) 『少子化と女性の健康』(政策提言 Vol. 1). {}
  6. 田中 重人 (2018) 『2010年代日本における「卵子の老化」キャンペーンと非科学的視覚表象』 (科研費プロジェクト「非科学的知識の生産・流通と「卵子の老化」パニック」報告書). {ISBN:9784991031618}
Keywords: 少子化, 人口学, 人口統計, 歴史, 言説, 日本

(本報告はJSPS科研費基盤C #17K02069 研究成果の一部である。詳細は 参照)

Conference: 科学技術社会論学会 第17回年次研究大会 {}
Session: 「少子化」をめぐる科学言説 (オーガナイズドセッション)

Fake Information for the 'Egg Aging' Propaganda: The Role of Experts and Journalists in Its Emergence, Authorization, and Radicalization (XIX ISA World Congress of Sociology, July 2018, Toronto)


Date: 2018-07-17 (Tuesday) 17:30-19:20
Location: 709 (MTCC South Building), Metro Toronto Convention Center

Title: Fake information for the 'egg aging' propaganda: the role of experts and journalists in its emergence, authorization, and radicalization

Speaker: Tanaka Sigeto (Tohoku University)


The belief that women rapidly lose their fertility as they age has been popularized using biological findings about "aging" of eggs (or oocytes) in the ovaries. Recently, Japan has experienced national propaganda based on such a belief. In the past decade, doctors and medical organizations have broadcasted information about age-related fertility decline for women in their 20s and 30s. Their theory has spread on mass media without any scrutiny, creating a social pressure on women to bear children as early as possible. Such information has also served as evidence for the government's pronatalist policy of getting young people married.

This paper traces the history of the belief and explores how it emerged, progressed, and spread as authorized "scientific" knowledge by focusing on the graphs frequently used to support the "egg aging" discourse.

A literature survey revealed the following facts that exemplify the role of traditional experts and journalists in creating the "post-fact" phenomena. The graphs, seemingly quoted from the scientific literature, were actually fabricated, falsified, trimmed, or misinterpreted. Doctors manipulated graphs, supported it with unreachable citations, and provided insufficient or distorted explanations about the data and methods. These techniques are being used in the field of obstetrics and gynecology since the 1980s. Journalists have recently contributed to the propaganda, using sensational language to polish the message. During the development and radicalization of the discourse, no social mechanism was performing the fact-checking function. The "egg aging" propaganda, endorsed by medical authorities, aroused people's feeling about the alarming prospect of the country's low birthrate and shrinking population. It eventually achieved hegemony in public debates in 2010s Japan. (See for details.)

Keywords: pseudoscience, medicine, gender, reproductive rights, fertility

Conference: XIX ISA World Congress of Sociology (July 2018, Toronto)
Session Selection: Scientific Knowledge and Expertise in a 'Post-Fact' Era (RC23: Sociology of Science and Technology)
Status: Accepted for oral presentation


Created: 2017-09-20.
Revised: 2017-09-23.
Revised: 2017-11-30 on paper acceptance.
Revised: 2018-02-02 Date and location added.
Revised: 2018-07-16 Link for the slide file.

Hijacking the Policy-Making Process: Political Effects of the International Fertility Decision-Making Study for 2010s' Japan (XIX ISA World Congress of Sociology, July 2018, Toronto)

Hijacking the Policy-Making Process: Political Effects of the International Fertility Decision-Making Study for 2010s' Japan (XIX ISA World Congress of Sociology, July 2018, Toronto)

Full Paper:

Date: 2018-07-16 (Monday) 15:30-17:20
Location: 202D (MTCC North Building), Metro Toronto Convention Center

Title: Hijacking the policy-making process: political effects of the International Fertility Decision-Making Study for 2010s' Japan
Author: Tanaka Sigeto (Tohoku University)


Studies that compare social conditions in a certain country with those of other nations can result in national feelings of inferiority or superiority. Comparative studies thus often serve as political devices. Owing to the development of the Internet and translation technology, large-scale, cross-national surveys have become a low-cost means to manipulate public opinion.

In this paper, I introduce the case of the political use of the International Fertility Decision-Making Study (IFDMS) in Japan. IFDMS was conducted in 2009-2010 by researchers from Cardiff University and Merck Serono, a global pharmaceutical company. IFDMS prepared a questionnaire in 13 languages for 18 countries, targeted at both men and women who were trying to conceive. It featured questions regarding medical knowledge about pregnancy. According to the published results, the respondents who lived in Japan exhibited a lower level of knowledge about conception than those in other countries. Based on this result, medical authorities in Japan insisted that, because of the lack of knowledge, the Japanese people had thoughtlessly postponed childbirth, resulting in fertility decline. The government accordingly created a new outline of population policy in 2015, in which it referred the results from IFDMS to advocate sex education for youth in order to encourage early marriage.

However, IFDMS is unreliable. It has many defects including mistranslations in the questionnaire. Nevertheless, results from IFDMS were accepted as reliable scientific findings in conferences and journals in the field of natural sciences in Europe, bypassing scrutiny by social science researchers in the targeted countries. Language differences also prevented the accurate understanding of the research results. The case of the political effect of IFDMS thus teaches us that social impacts of comparative studies may be deceptive and nullify social scientific efforts to accurately perceive the society in which we live. (See for details.)

Keywords: cross-national survey, translation, science communication

Conference: XIX ISA World Congress of Sociology (July 2018, Toronto)
Session Selection: Current Research in Comparative Sociology, Part 1 (RC20: Comparative Sociology)
Information on the conference site:
Status: Accepted as a distributed paper [2017-11-30]


Created: 2017-09-19.
Revised: 2017-11-30 on paper acceptance.
Revised: 2018-07-16 Link for the full paper.

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研究報告「ライフプラン冊子には何が書いてあるのか」(2018-04-01 東京 <連続勉強会:「国難」のなかのわたしたちのからだ> 第1回)

参考資料 (都道府県ライフプラン冊子の情報):

Date: 2018-04-01 (Sunday) 14:00-16:30
Location: 渋谷男女平等・ダイバーシティセンター・アイリス第1・第2会議室 (渋谷駅西口徒歩5分 渋谷区文化総合センター大和田8F

Title: ライフプラン冊子には何が書いてあるのか

Author: 田中重人 (東北大学)

連続勉強会:「国難」のなかのわたしたちのからだ> 第1回:書き換えられる女のからだ――またも改ざん? 「女性の年齢と卵子の数の変化」グラフとその言説の検証

Gender Inequality and Family-Related Risks: From the Perspective of Law and Ideology (Contemporary Japan Speaker Series, King's College London) 2018-01-25


Date: 2018-01-25 19:00-20:30

Location: Paul Webley Wing, SOAS Alumni Lecture Theatre, London

Title: Gender inequality and family-related risks: from the perspective of law and ideology

Speaker: TANAKA Sigeto (Tohoku University)

Family laws and familial ideologies are crucial factors for gender equality that are often overlooked in gender-equality discourses. This lecture explores how marriage and childbirth are disadvantageous for women in Japan, and the institutionalization of this disadvantage in family laws and in hegemonic family ideology. The focus is on the adverse economic consequences that women experience for career interruptions and child rearing responsibilities, which become more visible after divorce. Results from the National Family Research of Japan (NFRJ) surveys from 1999 to 2009 highlight a great gender gap in post-divorce economic living standards. This is attributable to women’s interrupted careers and their responsibility to take care of children. Analyses of public discourses reveal that the disadvantages encountered by wives and mothers are deeply rooted in the history of law. The disadvantages have also been justified in ideological debates on social problems regarding family, work, welfare, and population issues. Although laws and policies have made some progress in reducing risks, the advancement has been so slow and limited that the underlying mechanism of gender inequality remains untouched.


Event page:

(Contemporary Japan Speaker Series, King's College London)


昨年12月25日、 読売新聞社サイト YOMIURI ONLINE 「深読みチャンネル」に「「10歳の壁」から貧困家庭の子どもを救え」と題する記事が載りました:
「Yahoo! ニュース」でも、年明けの1月7日に、おなじ記事が配信されました:
毎日新聞も、2017年12月30日大阪朝刊に「学力格差:「貧困」小4から 「学習・生活習慣、身につかず」 日本財団が箕面で調査」という記事を載せています:


- データをみるかぎり、貧困世帯の子供の「学力」は全国平均にくらべてやや低い程度であり、大きな格差はない
- 貧困世帯の子供の「学力」が成長にしたがって低下するという解釈をデータから導くことはできない。むしろ、全国の児童生徒の平均的な傾向と同様に、貧困世帯の子供も順調に学力を伸ばしていることが、データからは示唆される
- 「小学校4年(10歳ごろ)時に、家庭の貧富の差による「学力格差」が急拡大する」というのは根拠のないデマ
- 経済状態による格差よりも地域間の格差のほうが大きそうである。このことを考慮せずに、特定の地域のデータの分析結果を一般化するのは非常に危険
- 「学力」を測定しているとされる調査やそれを使って算出したスコアの測定・算出方法が不明であり、またその妥当性・信頼性・代表性が吟味されていない


『学術の動向』22巻8号 (2017年8月) 記事「非科学的知識の広がりと専門家の責任: 高校副教材「妊娠のしやすさ」グラフをめぐり可視化されたこと」

日本学術協力財団の雑誌『学術の動向』22巻8号(=通巻257号) (2017年8月) に書いた記事「非科学的知識の広がりと専門家の責任: 高校副教材「妊娠のしやすさ」グラフをめぐり可視化されたこと」が J-STAGE (科学技術情報発信・流通総合システム) で公開されました。




J-STAGEからこの記事の 全文PDFファイルがダウンロード できます。それほど長い文章でもないので、お読みいただければ内容はわかると思います。今回は、たぶんあまり一般には理解されていないであろうポイントについて、重点的に解説します。

(1) 「妊娠のしやすさ」グラフの大元の研究自体が、都合のよいデータだけを抜き出したものである
(2) ダメ論文は被引用状況からわかる
(3) 非公表の調査結果が政策・世論操作に使われてきた

つづきはこちらから →

Locating Family in the Gender Equality Politics: A Focus on Economic Situation after Divorce in Japan (Symposium "The Impact of the Humanities and Social Sciences: Discussing Germany and Japan" in Tokyo) 2017-11-14

Date: 2017-11-14 (Tuesday) 15:15-17:00
Place: German Cultural Center

Slides: [2017-11-13]
Handout: [2017-11-13]

Author: TANAKA Sigeto (Tohoku University)
Title: Locating Family in the Gender Equality Politics: A Focus on Economic Situation after Divorce in Japan

Science as a Vital Point of Democracy: Lessons from the 'Egg Aging' Panic in 2010s Japan

Title: Science as a vital point of democracy: lessons from the 'egg aging' panic in 2010s Japan

Author: Tanaka Sigeto (Tohoku University)


Scientific research uses highly complex theory and technical methodology, which can be difficult for non-professionals to understand. Thus, if professionals make an unscientific policy recommendation using fake evidence, it will be difficult for the public to screen such an inauthentic proposal.

This happened in 2010s Japan. Obstetricians and gynecologists created data to show how rapidly women's fecundity decreases along with their increasing age by fabricating, falsifying, and cherry-picking results from studies of biology, medicine, demography, and psychology. Based on those questionable data, they and their organizations carried on a campaign for early marriage and childbearing. The campaign aroused public attention and influenced the government to introduce a new pronatalist policy in March 2015 that aimed at early marriage. Although there are many defects in the data that served as evidence for the policy, these defects had not been properly scrutinized at that time. In August 2015, a newspaper first reported faulty data on women's fecundity, which was being used in a high school textbook to encourage early pregnancy. Criticism subsequently grew, leading to the discovery of many questionable data used during the campaign. However, it was too late to challenge the hegemony of the discourse already established.

This scandal yields lessons in the importance of protecting democracy against fake science. This paper addresses two topics. First, we need a system that allows non-professionals to review scientific literature to conduct fact-checks of the evidence presented by professionals. Second, our review system should be ready for real-time checking of newly emerging discourses. My observation of the scandal carries suggestions about a concrete case of fake science and how we can rebuff it. (See for details.)

Keywords: Fertility; State, family and population; Gender

Conference: International Sociological Association (ISA), RC06/RC41 Joint Conference: Changing Demography / Changing Families (May 2018, Singapore)

Status: Rejected [2017-12-22]


「ウィメンズヘルスリテラシー協会」は、女性の健康についてのリテラシー向上を掲げて2017年7月に発足した一般社団法人です。9月28日に「ウィメンズヘルスリテラシーサミット」なるものを開くという告知が流れてきていますが、団体のウェブサイト等には、関係者や活動内容についての情報がほとんどありません。BuzzFeed がこの団体をとりあげた記事などを元に、この団体の正体を探りました。

濫用される国際比較調査と日本の世論形成: International Fertility Decision-making Survey と少子化社会対策大綱 (第61回数理社会学会大会 2016-03-17)

濫用される国際比較調査と日本の世論形成: International Fertility Decision-making Survey と少子化社会対策大綱

田中 重人 (東北大学)

第61回数理社会学会大会 (2016年3月17-18日) 1日目 自由報告 第4部会「社会問題と公共性」11:25-12:40 第3報告

日本人の妊娠・出産の知識レベルが低いことの根拠資料とされ、2015年「少子化社会対策大綱」における「妊娠・出産に関する医学的・科学的に正しい知識についての教育」の数値目標設定にも使われた International Fertility Decision-making Study (Cardiff University, 2009-2010) について、対象者構成の問題のほかに、調査設計と質問文翻訳に焦点を当て、問題点を明らかにする。また、なぜこの調査結果が日本の政策を決定するほどの大きな影響力を持つに至ったかを考察する。資料として、公表されている各種文献のほか、独自に入手した日本語版調査票を利用する。

報告要旨 →



2015年8月、妊娠・出産に関する「医学的・科学的に正しい知識」をはじめて盛り込んだ保健副教材改訂版が高校に配布されました。 その第20節「健やかな妊娠・出産のために」に載っていたのが、女性の妊娠のしやすさは22歳で頂点を迎え、そのあと急激に低下していく、という、加齢による減少を誇張したグラフでした。 この論文では、このグラフ改竄事件の経過と、このグラフの元となった研究について、解説と評価を加えます。 また、科学的研究への信頼と男女平等 (男女共同参画基本計画) に関して、この事件からえられる教訓を引き出します。

(p. 16)


  • 「妊娠のしやすさ」改ざんグラフ問題
  • グラフの来歴
  • 「医学的・科学的に正しい知識」の危うさ
  • 性差に基づく男女共同参画?




今年8月、文部科学省編集の高校生用保健副教材『健康な生活を送るために (平成27年度版)』に、「女性の妊娠のしやすさの年齢による変化」という改ざんグラフ (22歳のところにピークがあり、それ以降は直線的に低下するよう加工されたもの) が掲載される という事件がありました。この事件は、それ自体が、専門家が「科学」の名のもとに間違ったデータを流布させようとした事例といえます。また、この副教材がつくられるに至った過程には、政府による世論誘導の意図のほか、政策決定における社会調査データの不適切な利用、専門家集団の行動に対するチェック機構の不在など、科学と学術倫理に関する種々の問題点がふくまれています。



高校生にウソを教えるな! 保健・副教材問題緊急集会 第2弾


日時: 11月30日(月)18時30分~20時45分(開場18時)
会場: 東京ウィメンズプラザ 2F 第1会議室 (交通案内)
参加費: 無料(資料代等500円程度のカンパをお願いします)
申込み: 不要(先着80名)



菅官房長官の「たくさん産んで 国家に貢献」発言、「一億総活躍社会」や「希望出生率」など、安倍政権の新政策についても議論しませんか。



◆ 柘植あづみ(明治学院大学教員/生殖医療問題)

◆ 高橋さきの(お茶の水女子大学非常勤講師/科学技術論)

◆ 田中重人(東北大学教員/家族社会学)

◆ 大橋由香子(フリーライター、SOSHIREN女(わたし)のからだから)

◆ 大塚健祐(レインボー・アクション)



A Spider's-Eye View of National Sociologies: Web 2.0 Technologies to Go Beyond Borders (ISA Forum of Sociology, 2016 Vienna) (under review)

Title: A Spider's-Eye View of National Sociologies: Web 2.0 Technologies to Go Beyond Borders

Author: TANAKA Sigeto (Tohoku University)


Sociology is divided into a number of “national” sociologies, which are usually bounded by national boundaries and which have developed their own theories, concepts, and political/cultural focus according to a specific historical context. Sociology is also divided by linguistic boundaries, which prevent us from knowing the discourses of an unfamiliar language. These problems hinder “international” communication among sociologists. However, such borders are a source of the power of sociology; they maintain the diversity in sociological research that allows it to address various local problems. We should seek a way to communicate beyond borders, without sacrificing diversity.

This paper proposes utilization of so-called “Web 2.0” technologies to go beyond those borders and establish a common basis for communication and mutual respect between national sociologies. Web 2.0 technologies offer functions for broadcasting information in particular formats, such as RSS/Atom feeds. Consequently, we can obtain updated information and aggregate it efficiently. We can thus prepare systems to monitor information for each national sociology, to make it easier for us to share cross-border knowledge.

I am building online news-feed systems using Web 2.0 technologies to monitor trends in sociological studies ( A prototype for the Japanese version of the system has operated successfully. To get useful daily updates, I carefully selected target URLs from sociological associations and institutions, government sites, publishers, book stores, libraries, repositories, data archives, news sites, social bookmarks, personal blogs, and some useful Twitter accounts. I am also making similar systems for other societies.

This paper demonstrates the experiential know-how involved in developing the system. It also discusses difficulties in expanding the system to cover other societies: differences in interfaces of libraries/repositories, problems in using online translation services, and linguistic/cultural diversity within society.

Keywords: Internet, communication, information technology, language

Session Selection: Academic Discourse

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Dynamics of Ideology and Institution: Probable Scenarios for Changes in Beliefs about Gender and Family in Japan (ISA Forum of Sociology, 2016 Vienna) 2016-07-11

Date: 2016-07-11 (Monday) 10:45-12:15
Location: Hörsaal 34 (Main Building), Vienna University

Slides download:
Handout download:

Title: Dynamics of Ideology and Institution: Probable Scenarios for Changes in Beliefs about Gender and Family in Japan

Author: TANAKA Sigeto (Tohoku University)


This paper put forward a proposal for elaborating ideology analysis. In parallel with development of empirical analysis to specify causality in the real social phenomena, we should develop methods for analysis of ideology to explore dynamics of what we perceive and think about the real society. Using them in combination, we obtain a powerful tool to foresee the future.

This paper proposes a framework of ideology-institution dynamics with causal modeling (IIDCM). IIDCM defines ideology as a system of interdependent beliefs classified into three categories: beliefs about facts (how the society is), about ideals (how the society should be), and about norms (what we should do). A feedback cycle is assumed as follows. We have beliefs about facts based on our observations of society. We have also beliefs about ideals as criteria to evaluate whether the social condition is good or bad. Such criteria and beliefs about facts jointly justify a norm to realize a better society. If the norm is institutionalized, it determines people’s action and brings social outcomes. And if we observe the social outcomes through empirical analysis, it will make changes in our beliefs about facts.

IIDCM theorizes relationships among ideology, institution, and people’s action. We can write a scenario and select the cast to predict social changes, using IIDCM as a basic framework. This paper takes an example of fertility issue in Japan. Political responses to low fertility in Japan since late-1980s have been too conservative to set ideological changes about gender and family. However, facing the population shrinking, the government (and people) are now seriously recognizing the necessity of drastic social changes. We can write probable scenarios, with the framework of IIDCM, according to what policy will be selected and how public opinion will change hegemonic ideology related to gender and family. (See for details)

Keywords: methodology, norm, policy, social change

Conference: 2016 Third ISA Forum of Sociology
Session Selection: Scenarios and Future Societies
Abstract URI:

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→「学会報告についてWebで発言する運動」 {}





Maintaining diversity in policy-oriented research (第88回日本社会学会大会 2015-09 報告申込、審査中)

Maintaining diversity in policy-oriented research: alternatives of work-life balance measures for gender equality in Japan

TANAKA Sigeto (田中 重人) Tohoku University

Abstract prepared for a poster session in the 88th Annual Meeting, Japan Sociological Society (2015-09-19..20 Waseda University, Tokyo, Japan)

This proposal is under review by the Japan Sociological Society. Result will be opened by late August.

(Below is a draft before submission, as by 2015-05-18. See for the final version.)

1. Problem

Policy-oriented research often suffers from overconcentration on a narrow topic. For instance, research on gender equality in Japan has concentrated on the effects of work-life balance (WLB) measures on continuous regular employment of women in their childrearing stage. Although we have already compiled negative evidence indicating that there has been no increase in women's continuous regular employment despite expanding WLB measures [1], we are still spending a large amount of resources on WLB research. Overconcentration reduces diversity and the capacity of social sciences to make appropriate contributions to public issues.

This problem partly arises from a defect in the PDCA (plan-do-check-act) cycle model, which policy-oriented research is always based on implicitly. It offers no motivation to break the cycle. The cycle is merely a repetition of fine-tuning in a production process to achieve the given goal, as is naturally expected given that the root of PDCA was a product management system used in private companies [2]. There will thus be no chance to set another goal, to discover a new research topic, or to appeal to the public to overwrite the fundamental philosophy behind the policy.

2. Solution

I put forward a proposal for a new framework for policy-oriented research: "ideology-institution dynamics with causal modeling" (IIDCM), a framework upper-compatible with the PDCA cycle. Like the PDCA cycle, IIDCM assumes a cycle between consideration of ideology (what we perceive and think about the real world) and observation of social phenomena in the real world. In addition, IIDCM offers a schema to analyze ideology as a system of interdependent beliefs about how the real society is, how the ideal society should be, and what we should do according to the social status we occupy.

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What will we witness when we seriously try to boost fertility? (第25回日本家族社会学会大会 2015-09 報告申込中)

What will we witness when we seriously try to boost fertility?: Normative constraints against universal child benefits

出生力増大に本気で取り組んだら何が起きるのか?: 普遍的児童給付の規範的制約

TANAKA Sigeto (田中 重人)
Tohoku University

Abstract prepared for a presentation in the 25th Annual Meeting, Japan Society of Family Sociology (2015-09-05..06 Otemon Gakuin University, Osaka, Japan)

(Below is a draft before submission, as by 2015-06-04. See for the final version.)


Many contemporary societies suffer from low fertility due to two factors: the desired number of children has declined and converged at a low level between 2 and 3 [1: 201-207]; and most people cannot have the desired number of children [2: 12-19]. If we take these as a serious problem and try to raise fertility up to the replacement level, what amount of resources should we mobilize? And what will be obstacles against such policies? This paper discusses these issues focusing on economic aspects of work-life balance (WLB) and universal child benefit (UCB) policies in Japan.

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前記事 {blog:283} のグラフのためのPerlスクリプト。


$a: 家庭責任がなければ稼げる所得 (任意の実数)
$b: 児童給付額 (ひとりあたり定額) (任意の実数)
$w: WLB政策の効果 (0から1の範囲の実数)
@x: 子供数 (非負の整数) のベクトル

sub eqinc {
    my ($a,$b,$w,@x) =@_;
    my @ret;
    foreach (@x) {
            push @ret, ( (1+$w)*$a + ($b*$_) ) / sqrt(2+$_) 
            push @ret, $a 

sub tb_eq {
    my($head, $b, $w ) = @_;
    print $head ,  "$b,$w"  , map {sprintf('%6.2f',$_) } eqinc( 100, $b, $w, 0..10 );

$"  = $, = "\t";
$\  = "\n" ;

print 'Setting' , 'Parm' ,  0..10 ;

tb_eq( 'WLB' ,  0,  1);
tb_eq( 'UCB' ,  17, 0);
tb_eq( 'Both',   7, 1);
tb_eq( 'Both',  17, 1);
tb_eq( 'Both',  35, 1);
tb_eq( 'UCB' ,  41, 0);
tb_eq( 'UCB' ,  50, 0);
tb_eq( 'UCB' ,  73, 0);

○ 結果:

Setting Parm    0       1       2       3       4       5       6       7       8       9       10
WLB     0,1     100.00  115.47  100.00   89.44   81.65   75.59   70.71   66.67   63.25   60.30   57.74
UCB     17,0    100.00   67.55   67.00   67.53   68.59   69.92   71.42   73.00   74.63   76.28   77.94
Both    7,1     100.00  119.51  107.00   98.83   93.08   88.82   85.56   83.00   80.95   79.30   77.94
Both    17,1    100.00  125.29  117.00  112.25  109.41  107.72  106.77  106.33  106.25  106.43  106.81
Both    35,1    100.00  135.68  135.00  136.40  138.80  141.74  144.96  148.33  151.79  155.28  158.77
UCB     41,0    100.00   81.41   91.00   99.73  107.78  115.28  122.33  129.00  135.35  141.41  147.22
UCB     50,0    100.00   86.60  100.00  111.80  122.47  132.29  141.42  150.00  158.11  165.83  173.21
UCB     73,0    100.00   99.88  123.00  142.66  160.03  175.75  190.21  203.67  216.30  228.24  239.60

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政府が本気で出生力増大に取り組んだら何が起きるのか? 普遍的児童給付政策の規範的制約

(第25回日本家族社会学会大会 報告申込案)

・日本の場合、ワークライフ・バランス (WLB) で育児の機会費用を減らせばなんとかなるんじゃないかというもくろみで政策をたててきたのであるが、現在でも出生力は人口置換水準を大きく下回ったまま
・政府がまともな判断をするなら、効果のあがらない戦略はすてて練り直すはず。より効率のよい政策は普遍的児童給付 (UCB) だが、その方向に日本が踏み出した場合、将来の家族制度はどうなるのか?





・これらの信念を消すか、押さえ込むか、妥協するか →UCBを導入するなら、家族制度のラディカルな改革不可避







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